
パーマ剤で変わる仕上がりの違い #3 レイヤー系メンズショートの場合

同程度の還元力、酸化力を持っていると考えられるパーマ剤はたくさんある。では、そうしたパーマ剤のデザイン効果には、どんな違いがあるのだろうか? 3回目となる今回からは、レイヤーベースのスタイルで検証。まずはメンズショートで表れる、デザイン的な違いを比較!

貴龍[RECTA]
よしたつ/1988年生まれ、東京都出身。国際文化理容美容専門学校卒業。2020年、佐藤友哉氏が代表を務める『RESSUAL』設立に参加。現在は新たなブランド『RECTA』ディレクターとして活動中。
メンズ レイヤー系カットベースの設定
まずは検証の土台となる、レイヤーベースのスタイル構成を解説。
このカットベースに、同じワインディング構成でパーマをかけていく。
※使用ウイッグ:ユーロプレステージ『iP500』
CUT BASE






DIAGRAM


バックのアンダーはレイヤー、ミドルにグラ、オーバーは高めにグラをつなげてフォルムを形成。
サイドの内側は刈り上げ、イヤーツーイヤーより顔側は表面にレイヤーを入れつつ、アウトラインを前下がりに設定したショート。
全点共通/ワインディングの設計
ワインディングはシンプルな構成に。
グラベースと同様のアプローチで施術するが、髪の長さに合わせてスライスの角度とロッド径数を調整。検証する4種の薬剤は、全てこの状態で使用する。
ROD ON






使用ロッド
- オレンジ:23mm
- 黄:20mm
- 黄緑:17mm
- 青緑(薄):15mm
- 青紫:14mm
- ピンク:12mm
- ベージュ:11mm
- 水色:10mm
- 青緑(濃):9mm
※全て安元化成『ニューエバーロッド F型』を使用
カットラインに合わせ、横~斜めにスライスを設定し、毛先巻きで施術。
バックのアンダーはスパイラル、その他のセクションは平巻きで構成。また髪の長さに合わせ、グラベースでの検証時より、使用ロッドの径数に幅を持たせている。
なお、薬剤処理のタイム設定は各パーマ剤のメーカー推奨に準じる。
FINISHING
パーマ後の仕上げ工程は、グラベースのスタイルと同様。
いずれもロッドオフ、水洗後にタオルドライし、ウエーブ部中心にオイルをなじませ、自然乾燥(動画参照)。
ドライ後、粗歯のコームやテールを通して髪をほぐすようにし、束感、質感と同時にフォルムとシルエットを整える。
※使用スタイリング剤:
- アナイスカンパニー『SINPURTE』トゥーグッド マルチベネフィットオイル Purification of Mind(心の浄化)
自然乾燥の裏技
今回の撮影では、グラベース、レイヤーベースとも、全スタイルの「自然乾燥」を下の動画の工程で施術(ウイッグ撮影ならではの裏技)。
タオルドライ後のオイルのなじませ方や、コーム使いなどにも注目!
4種のパーマ剤をピックアップ~ウエーブのディテールを検証
- タマリス『シスキュア デコルア』L-50/2L-BR 6%
- ルベル『プライア カール』アドール H1/1/2・2/2
- デミ コスメティクス『ウェーボ フィージェ』CT80XB-1剤/TiBR-2剤
- アリミノ『コスメカール』V/アフターローション

選んだ薬剤は#1、2のグラベース編と同じです。
レングスや段差構成が変わることで、ウォッシュアウト時のリッジ感や最終的な仕上がりに、どんな違いが出るのか検証しました。
1. タマリス『シスキュア デコルア』L-50/2L-BR 6%

PROCESS
水巻きでワインディング→1剤塗布→7分放置でチェック→8分放置→中間水洗→2剤塗布(7分・7分の2度付け)→ロッドオフ→水洗
シスキュア デコルア/WASH OUT






シスキュア デコルア/FINISH







レイヤーを入れたセクションにボリュームが出過ぎる、といったことはなく、かなり緩やかでやわらかいカール感が出ています。
パーマを施術する前の状態と比べ、シルエットは膨らまず、カットベースのフォルムにナチュラルなうねりがプラスされ、毛先の表情・ニュアンスがソフトになった印象です。
2. ルベル『プライア カール』アドール H1/1/2・2/2

PROCESS
水巻きでワインディング→1剤塗布→5分放置でチェック→5分放置→中間水洗→2剤(1/2)塗布(10分・5分の2度付け)→ロッドオフ→2剤(2/2)を1~2分もみ込む→水洗
プライア カール アドール/WASH OUT






プライア カール アドール/FINISH







カットベースにレイヤーや削ぎが入っていると、束感がよりしっかりと出そうですね。
長さが短いセクションは、毛先のリッジ感が際立つので、ランダムな動きや躍動感を表現しやすそう。ただし毛先を逃がして緩いうねりを狙う場合は、ロッドを巻く際、他の薬剤を使うときより多めに逃がす感覚で巻いた方が良いと思います。
3. デミ コスメティクス『ウェーボ フィージェ』CT80XB-1剤/TiBR-2剤

PROCESS
水巻きでワインディング→1剤塗布→7分放置でチェック→2分放置→中間水洗→2剤塗布(7分・7分の2度付け)→ロッドオフ→水洗
ウェーボ フィージェ/WASH OUT






ウェーボ フィージェ/FINISH







毛先にコロンとしたリッジ感が出るというより、根元から毛先までソフトなカール・ウエーブをつくりやすい印象。
毛先を逃がして巻けばその分やわらかくなりそうで、ワックスでスタイリングするとやや引っかかりを感じることがあるかも。
自然なボリューム感や、繊細なニュアンス表現向きだと思います。
4. アリミノ『コスメカール』V/アフターローション

PROCESS
水巻きでワインディング→1剤塗布→7分放置→中間水洗→2剤塗布(7分・7分の2度付け)→ロッドオフ→水洗
コスメカール/WASH OUT






コスメカール/FINISH







グラベースのときと同様に、カットベースと使用ロッド、巻き方などが仕上げに直結する感じです。
レイヤーベースだと、フォルムの裾周りがグラベースより薄くなるので、軽くなり過ぎないようなロッド選定やワインディングが必要そう。
また、削ぎやセニングも控えめにした方が得策かもしれません。
パーマ剤ごとの違いを比較~同一アングルで見るニュアンスの違い
レイヤー系メンズショート検証の最後も、4種のパーマ剤全てのウォッシュアウトと仕上がりの同一アングルを一覧化。
グラ系とは違う、また薬剤によって変わるディテールを見比べてみよう。
WASH OUT/全点・全アングル





FINISH/全点・全アングル





まとめ

カットベースにレイヤーが入ると、薬剤によってグラベースのときとは「異なる違い」が表れると感じました。
特に裾周りのシルエットや毛先のニュアンス、リッジ感は、長さが短いからこそ違いが大きくなるケースもあると思います。フォルム全体の質感はもちろん、そうしたディテールの違いを考慮したロッドや技術の選択が大切です!
使用商品一覧

シスキュア デコルア 1 L-50 400ml
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シスキュア デコルア 2 L-BR 6% 960ml【医薬部外品】
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ルベル プライアカールアドール 2/2 2剤 400ml (ブロム酸)
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