
コントラストで遊ぶ「LONG ✕ PERM」

ロングといえば、フェミニンな人物像表現が代名詞とも言える。
ただ、そこにパーマを加えることで、今までとは少し違った表現・スタイル提案が可能になる。
「ボブ×パーマ」に続き、今回はロングにおける春宮流パーマを紹介。

春宮雅之[THE STRAMA]
はるみや・まさゆき/1995年生まれ、長野県出身。名古屋美容専門学校卒業後、東京・青山の『THE STRAMA』入社。現在『THE STRAMA』店長。2025年ミルボンDAグランプリなど受賞歴多数。
hair design:Masayuki Harumiya[THE STRAMA]
make-up:Yui Adachi[THE STRAMA]
photo:Yohei Kichiraku[Ornica]
LONG ✕ PERM/DESIGN POINT
ボブ編と同じく、まずはロングとパーマを組み合わせる際のポイントをピックアップ。
ありがちなロングのウエーブから、一歩踏み出す春宮流のアプローチ方法を深堀り。
POINT 1. パーマに見えないパーマ

ボブと同じく「いかにもパーマ」ではなく、「パーマっぽくないパーマ」がポイントになる。
ロングはレングスが長い分、髪の動きや毛流れもデザインの主役になるため、ウエーブの強弱設計が重要に。
POINT 2. くせ毛風のラフ&ランダム感

「パーマっぽくないパーマ」のカギにもなるのがくせ毛風の動きと質感。
これは大きめのウエーブを「どう組み合わせる」かと、そのウエーブを「どう重ねるか」かのバランス操作が大切になる。
LONG LAYER~カットの構成&テクニック
次に、パーマの土台となるカットベースの構成について解説。
レングスが長くなると、シルエットの変化を読みにくくなるため、毛先の重なり方をしっかり把握して組み立てる。
ロングレイヤー:カット構成

レイヤーベースで縦長なシルエットで構成。
セクションごとに段差の高さを操作し、ウルフっぽいバランスに。顔周りからもレイヤーを入れ、奥行きを出しつつアウトラインを前上がりに設定する。
CUT/TECH POINT




1. バックのレイヤー構成
バックのアンダーに高めのレイヤーを入れたら、ミドルはセイムレイヤーに近い切り口で段差をつなげ、フォルムのベースをつくる。
LONG:WINDING TECH & RECIPE
ここからはワインディングの構成と、その技術的なディテールを見ていく。
カットベースの段差構成を踏まえたワインディング設計はもちろん、薬剤の塗布方法にも注目してほしい。
BEFORE/CUT FINISH





カット後の状態。レイヤーをしっかり入れた、縦長で比較的フラットなフォルムが特徴的。顔周りにも軽さを出しており、動きを出しやすい構成。
髪質
- 毛量:やや多い
- 太さ:普通
- 硬さ:やや硬い
- クセ:ほぼない
ダメージ:カラーダメージはあるがざらつきなし
RECIPE
パーマ剤
- 1剤 ナプラ『ウトエト』カールC/H:C/N=8:1
- 中間水洗後 ナプラ『ケアテクトHB』アシッドリンス:水=5:1
- 2剤 ナプラ『ウトエト』ローションBR
使用ロッド
安元化成『F型ロッド』F-23/F-20、『F型ロングロッド』FL-20
パーマ剤選定&設計のポイント
- やや硬めの髪質で、ヘアカラーによるダメージが感じられるものの、ざらつきはなく、深刻な損傷はないと判断。
- 毛の表面がなめらかで、ハリ・コシを感じられる髪質のため、薬剤が比較的浸透しにくい状態だと考えられる。髪に過度な負荷をかけないようにしつつ、しっかりと膨潤、還元できる1剤を選択。
- リッジ感を出しながら、大きめで自然なカール感・ウエーブ感がほしいため、1剤はハードタイプをチョイス。また髪のコンディションを考慮し、1剤を付け巻きしつつ、加温して薬剤の浸透を促進させ、薬剤のパワーをデザインにつなげる。
WINDING TECH





1. バック/セクショニング
耳上~トップポイントを通るイヤーツーイヤーを設定。全頭を前後に分け、バックから4段に分けてワインディングする。







6. 顔周り~サイド
サイド(こめかみ下)は、カットの切り口に合わせて前方にパネルを引き出し、20mmを1.5回転毛先巻き(平巻き)。





13. 表面/トップ
トップは頭頂部付近で前後に分け、根元に1剤を塗布して付け巻き。
髪の落ちる方向に注意してセクションを取り、しっかりと1剤を塗布。




18. 前髪/内側
前髪の内側は厚めにセクションを取り、左右に分けてワインディング。アウトラインと同様、毛先に1剤を塗布して付け巻き。
ROD ON





ベース設定、ロッド配置は左右対称に構成。
ベースは厚めにしつつ、内側と表面で1剤を塗布する位置を変え、ナチュラルなウエーブの重なりに。
1剤塗布~中間水洗~クリープ~2剤塗布



22. 1剤塗布・トップ
ワインディング終了後、全頭に1剤を再塗布。
むらなく塗布したら、8分加温後にチェックし、さらに4分加温してテストカール。
WASH OUT





水洗後の状態。
厚めにベースを取りながら、内側は毛先、表面は根元と、付け巻きの際に1剤を塗布する箇所を変えたため、余分な膨らみが抑えられている。
FINISHING


25. ドライイング
タオルドライ後、根元を起こすようにしてドライヤーで乾かす。ボブと同様、ウエーブを伸ばしすぎないように動かしながらドライ。
※ミルク:『オラプレックス』No. 6 ボンドスムーサー
LONG : PERM DESIGN/FINISH
FINISH



FINISH/4 angles





LONG ✕ PERM DESIGN まとめ

パーマだけどパーマに見えない、ラフでムードのあるスタイルが、僕がこれからもっと推したいデザインです。
ロングでは大きめウエーブの重なりでできる髪の動きをイメージすることが大切。薬剤選定は、目指すウエーブとキューティクルの状態、くせ(少しあるとかかやすい)、硬さ(軟毛はかかりにくい)といった素材の状態やバランスを見て決めること。
薬剤のレシピやプロセスの組み立てなど、数式的な感覚で組み立てられれば、パーマはもっと面白くなると思います。






